世界初国際間水素サプライチェーン実証事業
当社、三菱商事株式会社、三井物産株式会社、日本郵船株式会社の4社は、国際間水素輸送の実効性を確認することを目的に、AHEAD(次世代水素エネルギーチェーン
技術研究組合)を設立し、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の助成を受けて、世界初の国際間水素サプライチェーン実証事業を2015年から2020年までの6年間に亘って実施しました。
2020年には、設備規模として年間210トンの水素ガスをMCH(メチルシクロヘキサン*)としてブルネイから川崎臨海部に海上輸送し、MCHから取り出した水素を発電用ガスタービンの燃料として供給する運用を成功裏に終えました。本実証の結果、当社のLOHC-MCHシステム※による水素サプライチェーンに関する技術が確立でき、商業規模へのスケールアップが可能であることも確認できました。
水素社会の早期実現に向け、需要拡大に伴うスケールアップ効果や更なる技術改良を重ねることで一層のコスト低減を図り、2020年代後半の実用開始を経て、2050年カーボンニュートラルに日本発の環境技術として貢献していきます。
- 水素を輸送する液体有機水素キャリア(LOHC:Liquid Organic Hydrogen Carrier)の一つ。MCHは常温・常圧で取り扱うことが出来る液体で、医薬品などの製造における溶剤など幅広く使用されており、水素ガスと比べると体積当たり530倍の水素を含んでいるため、効率よく安全に水素を運ぶことが出来ます。
実証事業の概要

実証事業におけるMCH製造から水素の発電利用までの流れ
