合成ガス
「合成ガス」とは水素(H2)及び一酸化炭素(CO)を主成分とし、残りの成分として二酸化炭素(CO2)やメタンを含有する粗ガスの総称であり、アンモニア合成、メタノール合成、オキソ合成、合成油(Gas To Liquid : GTL)、DME(ジメチルエーテル)、SNG(代替天然ガス)或いは水素製造等に用いられる原料ガスの総称です。
従来から炭化水素を原料として合成ガスを製造してきましたが、近年では二酸化炭素(CO2)及び再生可能エネルギー由来の水素(H2)を原料とした合成ガスが、合成燃料を製造するe-fuel分野の原料として、またメタネーションにより製造するe-メタンも注目されています。

合成ガス製造は原料の種類に応じて適用可能な合成ガス製造技術を検討することが必要となります。
最終製品仕様、装置能力等についても考慮し、お客様の要求に応える最適、且つ実績豊富な技術を提供いたします。
また幅広い合成ガス利用技術についての技術の提供も可能となっています。
代表的な合成ガス利用技術
アンモニア合成
アンモニアは工業的には水素と窒素からハーバー・ボッシュ法により高温・高圧下(400-600℃, 10-20MPaG)で合成されます。一方で再生可能エネルギー由来の水素からのアンモニア合成として低温・低圧下での合成技術の開発も進んでいます。アンモニアの主な用途は肥料ですが、燃焼時にCO2を排出しないことから近年は火力発電所のエネルギー源としても注目されています。
メタノール合成
メタノールは工業的には合成ガス(水素と一酸化炭素の混合ガス)から高温・高圧下(200-300℃, 5-10MPaG)で合成されます。合成された粗メタノールは蒸留工程を経て精製されます。メタノールの用途としては化成品原料の他に船舶用燃料やガソリン合成(Methanol To Gasoline : MTG)の原料としても利用されます。
F-T合成
Fischer Tropsch反応(F-T反応)は合成ガス(水素と一酸化炭素の混合ガス)を反応させ長鎖の炭化水素(FT粗油)を生成します。FT粗油は幅広い炭素数を持つ炭化水素で構成されるためアップグレーディング処理によりガソリン、ジェット燃料、ディーゼル等の製品へと精製されます。近年はCO2と再生可能エネルギー由来の水素を原料として逆水性ガスシフト反応(Reverse Water Gas Shift反応 : RWGS反応)にて合成ガスを製造し、その合成ガスよりF-T合成にて製造される液体燃料(e-fuel)に注目が集まっています。
上記に加え二酸化炭素と水素を原料としたメタネーション技術についても提供いたします。