燃料アンモニア
アンモニアを燃料として利用するソリューションを提供
燃料として利用するアンモニア(「燃料アンモニア」)は、次の特徴を有していることから、地球温暖化対策に有効な次世代エネルギーとして火力発電や工業炉、船舶、燃料電池などへの利用が期待されており、水素キャリアの一つにも位置付けられています。
特徴1
アンモニアは窒素と水素の化合物であるため、燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出しない。
特徴2
肥料や化学製品の原料として、長年社会の中で使われており、輸送(はこぶ)や貯蔵(ためる)は、既存の技術やインフラが応用できる。
特徴3
アンモニアを分解すれば水素を取り出すこともできるため、水素を「つくる」「はこぶ」手段として活用できる。
当社グループは、燃料アンモニアの利用拡大、サプライチェーンの構築に向けて、アンモニア製造技術とアンモニア分解技術の開発・実証、およびアンモニア受入設備の検討業務を遂行しています。
アンモニア製造・分解の技術開発・実証
アンモニア製造技術
アンモニアは、現在、ハーバーボッシュ法により、窒素と水素を化学反応させて製造されています。ハーバーボッシュ法は、窒素と水素を反応させるために、400~500℃、10~30MPaGという高温・高圧の環境を必要とするため、大量のエネルギーを消費します。このため、アンモニアを燃料として利用拡大するために、ハーバーボッシュ法に代わる新たなアンモニア製造法が求められています。
当社グループは、東京電力ホールディングス株式会社および株式会社JERAと共同でNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金事業として、アンモニア製造における新触媒をコアとする国産技術を開発中です。ハーバーボッシュ法より低温低圧プロセスでアンモニアを製造することにより、製造コストの低減を実現するものです。本開発・実証は2021年度から2030年度の10年間を予定しています。
アンモニア分解技術
アンモニアは水素を輸送・貯蔵できる水素エネルギーキャリアの一つとして期待されています。早期の水素社会の実現に向けて、アンモニアから水素を取り出すアンモニア分解技術の高効率化・低コスト化が重要となります。
この課題解決に向けて、当社グループは、株式会社JERAおよび株式会社日本触媒と共同でNEDOプロジェクトとして、アンモニアを水素エネルギーキャリアとして有効活用することを目的に、既存の技術より競争力がある新たなアンモニア分解技術の確立に向けて、アンモニアから水素を取り出すための触媒と製造システムを開発中です。その後、カーボンニュートラルの実現へ向けて、社会実装を目指していきます。

- 燃料アンモニアサプライチェーン構築に係るアンモニア製造新触媒の開発・技術実証
- 大規模アンモニア分解向けオートサーマル式アンモニア分解触媒の技術開発