蓄エネルギー
再生可能エネルギー拡大に向けて蓄電池システムの推進
再生可能エネルギーの中で、今後のさらなる拡大が期待されている太陽光発電や風力発電は、発電量が天候に左右され、出力が安定しないことが課題です。蓄電池システムは、充電・放電による調整力となることで電力系統の安定化に寄与し、今後の再生可能エネルギーのさらなる普及、また電力の安定供給に欠かせない設備となります。
当社グループは、2018年より蓄電所建設のEPC(設計・調達・建設)および、蓄電所の安定した操業をサポートする保守・メンテナンスの経験を積み重ねており、再生可能エネルギー導入拡大を下支えする、蓄電池システム導入を通じて、カーボンニュートラルの実現に貢献するべく取り組みを進めています。
当社グループは、北海道で風力エネルギーの大規模活用を支える世界最大級の蓄電池システムである北豊冨変電所蓄電池システムを2023年3月に完工し、その後20年間にわたる保守メンテナンスを手掛けています。本蓄電池システムは北海道北部風力送電株式会社が取り組む「風力発電のための送電網整備等の実証事業」における送電網を構成する重要設備の一部として、気象変化によって起こる風車の出力の変動を緩和することで、電力系統の安定化に寄与し、北海道北部地域の風力発電の導入拡大に大きく寄与することが期待されています。
さらに、設備操業後の売電量増加やレジリエンス向上を目的として、以下の実証を手掛けました。固定価格買取(FIT)制度からフィード・イン・プレミアム(FIP)制度に移行し、自由競争が進む再生可能エネルギー業界において、当社グループはこうした実績で得た知見や技術開発を通じて、再生可能エネルギー発電所と併設・連動する設備等、蓄電池システムの価値向上を追求していきます。
実証範囲
- AIを活用した出力予測による蓄電池容量最適化
- ブラックアウトからの系統復旧への貢献検討
- 蓄電池によるブラックアウト回避の方法検討
- 非常時に蓄電池と風力発電を自立並列、負荷追従運転する検討
また、昨今導入が加速している系統用蓄電池の分野においても、複数のEPC(設計・調達・建設)の実績に加え、現在も複数のプロジェクトを遂行中です。当社グループは、危険物に指定されるリチウムイオン電池の特性を加味した設計と、価格競争力を考慮した系統用蓄電池システムを提案しています。