健全性評価・モニタリング
湿性腐食(湿潤環境)、クリープ(高温環境)、低温脆化(低温環境)、疲労(振動)など、材料はその種類と環境に応じてさまざまな劣化を生じます。千代田では多数の材料調査の実績と知見をベースに、圧力設備用材料(金属材料および有機材料)の劣化現象について、原因推定と防止策をご提供する調査・コンサルティング業務を行います。
また、経年設備の管理や工事の基礎情報となるデジタル計測業務や、タンク底板・回転機・軸受、配管減肉などの現象による設備の劣化をモニタリングする技術も保有し、更なる技術開発や適用を進めています。各種解析技術とのシームレスな連携による原因究明や対策提案も、多数の実績があります。
設備保全に関しお困りの事案がありましたら、気軽にご連絡下さい。
Ⅰ. 健全性診断(FFS:Fitness-For-Service)
長期間使用されて減肉などを生じた圧力設備の健全性評価に、コンピュータを用いた解析的な手法(供用適性評価、またはFFS評価)を適用する事例が増えています。米国のAPI規格など、理論的背景と実験データとに基づく評価指針が整備されたことに加え、コンピュータの能力の飛躍により、 一般産業用設備で手軽にFFS評価を行えるようになりました。千代田は、これらの技術による健全性評価を通して、設備の補修・改造・更新などお客様の設備管理に最適な提案を行います。
Ⅱ. 経年設備の3次元デジタル計測に基づく各種解析
運転開始後長く使用される中で、地盤の変動や使用材料の劣化により、傾きや変形が起きている設備はありませんか。また、度重なる改造工事や広い敷地の管理の点から、形状情報の更新が困難になっている設備はないでしょうか。千代田は、計測が高速でサイズもコンパクトな3次元デジタル計測機器を保有し、お客様のご要望に応えるデジタル計測業務を行います。また、そのデータをもとに、設備の健全性評価や応力解析、それらに基づく対策提案、保全に活用できるデジタル保全システムの構築などのお手伝いもしておりますので、お困りの事例がありましたら気軽にご相談下さい。
Ⅲ. 検査・モニタリング(腐食・疲労解析・防食)
触媒管の非破壊検査システム "H-ScanTM" による触媒管診断、AE(アコースティック・エミッション)などの各種手法によるタンク底板の非破壊検査技術、回転機の軸受や配管減肉の状態監視技術など、材料および設備の診断・モニタリング技術を通じ、お客様のご要望に応えます。
- "H-ScanTM" は米国HSI社の登録商標です。
Ⅳ. 余寿命評価(高温クリープ・腐食減肉ほか)
過酷な環境で使用されるプラント設備において、設備の余寿命を知ることは保全管理上、非常に重要です。千代田では、加熱炉管や触媒管、ボイラーチューブなど、高温環境で使用される部材の余寿命診断や、腐食環境にある材料の余寿命評価が可能です。
V. 連成解析(流体・構造ほか)と対策提案
流送解析(CFD)や構造解析(FEM)の技術と材料・防食技術とがシームレスに連携することにより、各技術単体では困難な現象の原因究明や対策提案を多数行ってきました。また、千代田の設計専門家やプロジェクト専門家との連携により、改造や更新に関し高度かつ迅速なご提案にも実績を有します。まずはご相談下さい。
CFDと材料技術の連携による対策案提供
特徴
アコースティック・エミッション(AE)技術
材料内部で微小破壊やき裂の進展、腐食などの局所的かつ急激なエネルギー解放が生じると、それに伴い弾性波が発生します。この現象をAEと呼びます(地震などと同様の現象です)。材料が流体・気体・固体から接触/摩擦/切削などの影響を受ける場合にもAEが発生します。AEを用いた診断は構造物内部の様々な欠陥や劣化をリアルタイムで把握する上で極めて強力な手段となります。従来の診断方法では困難であった材料の動的構造変化をリアルタイムで把握することが可能です。この技術により配管漏洩やタンク底部裏面の腐食、工作機械の状態などを非破壊かつ非開放で検査、診断することが可能です。
千代田は30年以上にわたるAE技術の豊富な経験・実績があります。診断装置の導入支援、構造物の健全性診断、製造・加工工程における品質管理、新規技術の開発/研究、AE技術トレーニングなど、技術導入から診断、運用までの総合的なサービスを提供します。