LNGプラント(米国 キャメロンLNG)
- 顧客
- Cameron LNG, LLC(キャメロンLNG社)
- 生産能力
- 年産450万トン x3系列
- 場所
- 米国ルイジアナ州ハックベリー
- 業務範囲
- 設計・調達・建設
- 完工年
- 第1系列、第2系列2019年、第3系列2020年


調達先の多様化を実現し、日本の
エネルギーの安定供給に貢献
米国のシェールガス革命を契機として
21世紀にエネルギー業界に生じた大きな変化、それが北米で起こったシェールガス革命です。米国で水圧破砕法等の技術革新が起こり、北米で広く分布する項岩(シェール)層から石油、ガスを取り出すことが可能になりました。これにより北米各地でシェールオイル、ガスの発掘が進み、特にメキシコ湾岸地域では、米国からLNGを輸出する液化プラントの建設プロジェクトが始まりました。
米国大型LNGプロジェクトへの挑戦
本プロジェクトは、既設のLNG受入設備を転用し、新たに年産1,350万トン(450万トン x 3系列)の天然ガス液化設備と輸出設備を建設するものです。米国ルイジアナ州で最大規模となる大型LNGプラントです。顧客であるキャメロンLNG社は米国、フランス、日本の主要エネルギー企業が出資する液化基地事業会社です。当社グループは、LNGプラントのリーディングコントラクターとして天然ガス液化設備と輸出設備の設計・調達・建設(EPC)業務を遂行しました。
幾多の困難を乗り越えて
当社グループは2014年の契約後にテキサス州ヒューストンにあるパートナーの事務所にプロジェクトのキーパーソンを派遣してEPC業務を開始しました。2年を経過した2016年に原油価格は底を打ち徐々に上昇に転じ、呼応するように米国各地でシェールガス開発は再び活性化していきました。
その中で、2016年にテキサス州、ルイジアナ州を襲った未曽有の長雨による工事の停滞、さらに2017年には超大型ハリケーン・ハービーがメキシコ湾岸に到来し、ルイジアナ州に非常事態宣言が発令されました。2018年に入るとハリケーン・ハービーからの復旧工事が各地で本格化し、熟練労働者のひっ迫や現場作業員の生産性低下、人件費の高騰が続き、予想を上回るものでした。
こうした数々の困難に直面しましたが、米国へ派遣する当社グループ社員を増員させるなど遂行体制を強化し、2019年5月に第1系列は生産を開始しました。第1系列の生産開始の当日には、米国トランプ大統領(当時)がキャメロンLNGの工事現場を視察し工事現場関係者に祝意を述べました。その後、2019年12月に第2系列、2020年5月に第3系列が各々生産を開始、2020年7月に完工しました。
日本のエネルギーの安定供給に貢献
本プラントで生産されたLNGは20年間にわたって日本やアジア新興市場等へ輸出されます。日本は従来、LNGの大部分をオセアニア、東南アジア及び中東から輸入していましたが、新たに米国を調達先に加えることになり、日本におけるエネルギーの更なる安定供給に貢献します。