LNGプラント

Courtesy of Qatargas Operating Company Limited

Floating LNG Power Vessel

LNGバリューチェーンソリューションの一つの例として、千代田ではLNGを発電燃料とした浮体式発電システム「Floating LNG Power Vessel」を開発しています。千代田の「Floating LNG Power Vessel」は次の4つの設備を一つの浮体ユニットに備えています。

  • LNG受入設備
  • LNG備蓄設備
  • LNG気化設備
  • 気化ガスを使った発電設備

概要

千代田は前述の4つの機能を有した「Floating LNG Power Vessel」を小規模から中規模発電としての利用を提案します。

発電システム:
■ 小規模: ガスエンジン(二元燃料ディーゼルエンジン)発電システム
■ 中規模: ガスタービンコンバインドサイクル

特徴

主な特徴は以下のとおりです。

1. 高い信頼性

千代田はEPCコントラクターとして国内のLNG(液化天然ガス)受入基地建設ではNo.1のシェアを誇り、またLNG液化設備においても過去10年間で世界の40%のシェアを持ち、信頼性の高いプラント建設を成功裏に納めてきました。これらの経験と能力を、特にLNGを取り扱うシステムにおいて、この「Floating LNG Power Vessel」にも生かしております。

また「Floating LNG Power Vessel」は浮体型特有の懸念を払拭するために、船舶海洋業界で豊富な実績を持つ機器やシステムを採用し、信頼性の高い「Floating LNG Power Vessel」の構築に貢献しています。

2. 高い安全性

浮体ユニットにおいて、安全性は非常に重要なポイントとなります。千代田は近年浮体式LNG生産設備(FLNG)の開発にも注力し、安全設計に関する技術を蓄積してきました。この技術の蓄積は「Floating LNG Power Vessel」の開発にも役立てております。

例えば、危険性の高い可燃性ガスを取り扱う機器やシステムと、それ以外の機器の配置を分けること、およびそれらに使われる冷却水、熱媒などのユーティリティーをそれぞれ個別に持つことで、可燃性ガスとそれ以外を分け、高い安全性の構築を実現しております。

千代田の「Floating LNG Power Vessel」は概念設計において、2016年5月にアメリカ船級協会よりAIP(Approved In Principle)を取得しております。

3. 低コスト、短納期

千代田の「Floating LNG Power Vessel」の一番の特徴は、近年増加傾向にある古いフリーのLNG船を改造するコンセプトであり、これにより低コスト、短納期の「Floating LNG Power Vessel」を目指しております。

千代田の改造コンセプトの主要目は以下のとおりです。

  • いずれのLNGタンク形式(Moss、メンブレン、SPB)にも適用可能
  • 一つのLNG船から複数の「Floating LNG Power Vessel」に改造可能(元のLNG船のタンク数、発電規模による)
  • LNGタンクとその周りの船体構造部分は「Floating LNG Power Vessel」に流用する。
  • 主な改造箇所
    • 発電設備として二元燃料ディーゼル発電機またはGTCC (Gas Turbine Combined Cycle)を搭載
    • 船首部構造、業務区域としての新たな船楼と機関室を新規ブロックとして建造し、LNG船からの流用部分に付加する
    • LNG船から流用する船体構造、機器、材料は適切な延命措置を行う

適用可能な範囲

千代田の「Floating LNG Power Vessel」は次のような場所や目的に適しています。

  • 纏まった電力規模を必要とし、環境保護にシビアな島国
  • 複数の離島で構成される島嶼国。各発電容量は小規模となる為、LNG供給ハブ基地が合わせて必要な地域
  • 圧倒的に電力が不足している国。特に恒久的な陸上発電所建設までの「繋ぎ」的な役割として導入を急いでいる地域
  • 大規模なLNG輸出拠点から至近距離エリア