LNGプラント

Courtesy of Qatargas Operating Company Limited

寒冷地LNGプラント技術

北極圏を取り巻く寒冷地には大量の石油・天然ガスが未開発資源として眠っています。資源は豊富ですが、開発には寒冷地ならではの技術的な難しさが多くあります。
千代田はロシア初の液化天然ガス(LNG)製造装置である、サハリン2 LNGプロジェクトを完成させました。ロシア サハリン島沖で採掘された天然ガスを原料とし、LNGを製造する液化製造装置建設プロジェクトです。サハリン島は北海道の更に北に位置しており、寒冷地という立地条件がプロジェクトの難易度を高くしており、液化製造装置として世界初の液化プロセスを寒冷地向けに採用したことも特筆すべきプロジェクトでした。

寒冷地サハリンでは、夏季の最高気温は北海道と同様に30℃にもなりますが、冬季の最低気温はマイナス30℃に達します。従って寒冷地プラントを凍結から保護する各種対策を設計・実施する必要がありました。設備建設にあたっては、環境への影響を最小限に留め、また無事故・無災害記録へチャレンジし工事安全に努める等、様々な工夫により厳しい自然条件を克服して設備建設工事を行っています。その結果サハリン2 LNGプロジェクトは、ロシアでのプロジェクト遂行の模範と評価を受けると共に、ロシアの資源と日本の技術を結集させ、エネルギー供給の安定化を図る意味で大変意義のあるプロジェクトとして評価されています。プロジェクト完了後の2009年3月には国土交通省JAPANプロジェクト国際賞 国土交通大臣賞を受賞しました。

千代田はサハリン2 LNGプロジェクトでの経験と実績が評価され、同じくロシアのヤマルLNGプロジェクトにも参画しています。ヤマルLNGプロジェクトはロシアの中でも、サハリン島と比べても更に厳しい寒冷地・環境条件である、現地語で「最果て」を意味するヤマル半島にLNG製造設備を建設するプロジェクトです。冬季の最低気温はマイナス50℃に達し、また平均気温がプラスとなる期間は年間2-3か月程度しか期待できないため、現地での建設工事は容易ではありません。このような過酷な地での建設工事を顧客要求納期通りに完了させるため、ヤマルLNGプロジェクトではモジュール工法と呼ばれる建設手法を採用しています。


写真提供:サハリン・エナジー・インベストメント

写真提供:JSCヤマルLNG

特徴

  • 寒冷地では水が凍結したり、回転機械の作動に影響があるため、配管にヒートトレースを設置したり、機械の周りを壁で囲ってエアコンを設置しています。
  • 空冷式熱交換器には冬季の冷え過ぎを防ぐ工夫をしています。
  • 配管や建屋の材料には寒冷地にも耐えられる低温材料を使用しています。



適用可能な範囲

北極圏、カナダ、ロシア等の緯度の高い地域にプラントを建てる場合に寒冷地仕様設計を適用する必要があります。

寒冷地LNG関連の主なプロジェクト

地域 :

ロシア

地域 :

ロシア

写真提供 :

Courtesy of JSC Yamal LNG