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カタールの発展と
エネルギーの安定供給に貢献~カタール ラファンリファイナリー2プロジェクト~

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Courtesy of Qatargas Operating Company Limited

Qatar天然ガスが豊富な
カタールの発展

日本がカタールと国交を樹立したのは1971年。同年に発見されたノース・フィールドガス田を中心に天然ガスの採掘量は世界最大規模を誇り、カタールの繁栄の基礎となりました。

千代田はその1970年代より、カタールでの様々なプロジェクトを実施し、特にLNGプラント建設に関して現在カタールに14トレイン(*1)あるLNGプラントのうち12トレインの設計・調達・建設を行っており、カタールのLNG生産量7,700万トン/年 世界No.1達成に、ひいては国づくりに貢献してきました。

2005年から新規開発が一時中断されるなか、既存の天然ガス生産の軽い成分はLNG、重い成分はコンデンセート(*2)として販売されていたが、そのコンデンセートをLPG、ナフサ、航空燃料等の付加価値を高め国内外に販売する方針のもと2009年にラファンリファイナリー1を完工、精製能力の拡大を求めて2016に完成したのがラファンリファイナリー2(LR2)です。

  • 1. LNGのプロセス製造する設備ユニットのこと。1つのトレインはプラントキャパシティによるが、最大規模で長さが600m、幅200m、高さ60mにもなる。
  • 2. 天然ガスのうち、産出時に自然に液化したもの。原油や化学原料として使用される。
カタールの発展 2000年-2008年
作業員を酷暑から守るため、色旗を随所に揚げた
Schedule

LR2建設はスケジュールとの戦いだった

ジョイントベンチャーパートナーの台湾のエンジニアリング会社と共に設計・調達業務を行うため、プロジェクト開始後すぐに台湾のパートナー会社のオフィスへ乗り込んでプロジェクトを立ち上げ、その後約1年半台湾での作業をスケジュール通りに完了させて、建設現場のカタールへと移って行きました。

LR2はすでに多くのプラントが建設されているラファン工業団地内に建設するため、様々な会社の設備がひしめく中、それら既存設備の一部使用や調整など、各社にそれぞれ承認を取らなければ次のステップに進めないため、承認取得がスケジュール管理の上でも重要な作業でした。

また、カタールの夏は高温多湿で、最高気温は40℃を超え、湿度は100%ということもあり、この自然環境もスケジュール通りの遂行の大きな障害となりました。作業員を酷暑から守る目的で、その時の Heat Index (温度/湿度の関数で数値が高いほど厳しい労働環境)が一目で分かる様に色旗を随所に揚げて注意を促しました。この旗は労働休止を指示する黒から、50分労働したら強制的に10分休憩を入れるといったサイクルでの労働を指示するグリーンまで、5段階(5色)があります。これにより、作業員はどのようなサイクルで働くべきかを、認識することができるのです。ただ、問題はこうして夏の期間は労働時間が大きく制限・削減されてしまうことです。特に完工直前の2016年7月中旬~9月上旬までは、日中はほぼ毎日、酷いときは日中はおろか日没後も黒旗が立つことがありました。原則日中は全く作業が出来ず、真夜中にしか作業ができないために、建設作業がなかなか進まない状況でありました。

Safety

安全確保こそが完成への近道

スケジュールが逼迫する中においても、LR2プロジェクトダイレクターの池田和美が腐心したのは、作業員の安全確保です。

「みんなが毎日安全で無事に帰宅してもらうことを第一に考えていました。安全はトップダウンでルールを作り厳しく管理することでは限界があり、むしろボトムアップの発想で作業員に自分たちで何が危険でどう注意するのか考えて行動して、とにかく皆無事に家に帰るんだという強い意識を持ってもらうことに注力していました。」 これは千代田の安全文化の一つでもありました。

しかし、このような理念を掲げるだけでは現場の作業員には伝わりません。池田は毎朝作業現場の入口ゲートに立ち、ピーク時5,000人近い作業員を出迎えるとともに握手をしました。
「マネジメントと作業員との間にはどうしても上下関係ができてしまい、溝ができてしまいます。毎朝作業員を出迎え、握手することで、同じ目線に立ち、共に同じ現場で働く一員であること、皆の安全を心底願っていることを認識してもらえるよう、努めました。」

高い安全意識の醸成により、プロジェクトを通じて死亡事故はゼロ、全員が家族のもとに帰ることができました。また最大2,000万時間の無災害(不休)記録を達成し、その結果、納期に遅れることなく無事にLR2を完遂したのです。 

作業員と握手を交わす池田

プロジェクトを通じたカタールと日本の信頼関係の構築

LR2を含め、既存LNGトレイン14系列中12系列を完工するなど、多くのプロジェクトをカタールで成功裏に完遂してきた千代田化工建設はカタールからの絶大な信頼を得ることができました。通常はプロジェクトが完遂すれば終了なのですが、2008年に千代田アルマナエンジニアリング社を設立し、プラントライフサイクルエンジニアリングの一環としてプラント運転後も顧客に寄り添い、技術サポートや顧客エンジニアの人材育成を継続しています。

カタールは2017年4月、長年継続してきたガス開発の中断期間(モラトリアム)を解除し、LNG増産に向けた開発の再開を発表しました。千代田は現地のお客様から新規ガス開発検討のためのパートナーに選ばれ、現在プロジェクトを進めています。これは今までの各プロジェクトを通じて得た顧客との信頼関係に基づくものと考えます。

最後に池田はこう語りました。「私たちは一企業としてお客様のご要望に忠実に対応するのが仕事ですが、このような国と国との架け橋になるような効果が得られたのであればエンジニアリング会社冥利に尽きると言えます。今後も仕事を通じて双方の社会が発展するような、持続可能な関係を築いていければいいですね。」

Trust
プロジェクトを通じたカタールと日本の信頼関係の構築