千代田化工建設で歩むキャリア

プロジェクトを最後まで見届けたい。その思いが、道を拓いた。

プロジェクトHR管理セクション セクションリーダー 1989年入社 商学部卒 成子 桂夫

杭の専門知識を学び、ミャンマーへ。プロジェクトへの関心が高まる。

学生時代に建設基礎工学を学んでいたこともあって、入社時の配属は土木系のセクションでした。通常、プラントの土木っていうとコンクリートや鉄骨などを設計するところに配属されることが多いのですが、私が配属された先の上司は杭の専門家のような人で、上司と二人でマンツーマンという状態でしたから、いわゆる弟子入りみたいな感覚でした。

その頃、CHIYODAが特許を持つ「杭載荷試験工法」の設計、施工、解析業務に携わりました。鉄道の駅などの工事現場ですごく大きな杭を用いるところがあって、鉄道の公団の方々とかゼネコンの方々と一緒にその工法の試験を行っていた。当時、私は1年目でしたが、結果をまとめて学会に発表するという業務も担当しました。

その後、杭とは異なる分野でしたが、銅製錬プラントの土木関係の担当としてミャンマーに赴任しました。当時のミャンマーはとても貧しくて、国家的プロジェクトというような期待と関心が寄せられているのを感じました。このプロジェクトでは、土木施工管理の担当でしたが試運転~完工~引き渡しと現場の最後までを経験させてもらったことをきっかけに、土木以外にも、とにかくプロジェクトを最後まで見ていく仕事がしたいという気持ちが強くなりました。

巨大プロジェクトの円滑な遂行を支える陰の力、アドミニストレーション。

プロトタイプの機器と向き合いながら、一歩ずつ前へ。

入社5年目に、プロジェクト部門に異動しました。2002年にサウジアラビアのメタノールプロジェクトを担当したのですが、それまで石油化学系のプラントに関わる業務が全く無かったので、初心者に近いような状況でした。土木のことなら知識はありましたが、プロセス、電気・制御などの専門用語を言われても最初は分からなくて、いろいろ調べたりしながら、こういうことを聞いてるんだろうとか、こうやったら良いんだろうなということを考えながら業務を進めていました。

2006年から関わったカタールのLNGプロジェクトの経験はいまでも強く記憶に残っています。1トレイン(系列)あたりのLNG生産量が世界最大の超大型プラントで、受注した合計6系列の最初のトレインを私は担当していたのですが、プラントの心臓部ともいえる天然ガスを冷却する設備の電気機器がプロトタイプのもので、試運転が想定通り進まなくって試行錯誤を繰り返しました。「もしうまく動かなかったら、6トレイン全部ダメになってしまうのではないか」「1兆円以上の金額が無駄になってしまう」と、ものすごく大きな不安がありました。JVを組んでいた会社の担当者と、納入した機器メーカーの担当者と3人で、どうやってうまく動かすかを毎日話しあっていました。いまできること一つひとつベストを尽くしていって、それを積み重ねていくしかないなという気持ちに切り替えて、前を向くようになりました。

多様な個性と能力から最適の組み合わせを見出すこと、それがエンジニアリングにおけるマネジメントの要。

会社の垣根を越えたつながりは、今も。

現在はオーストラリアのLNGプロジェクトのエンジニアリング・マネジャーとして発電設備の設計全般を担当しています。このプロジェクトではすごく印象的な出来事があり、カタールのプロジェクトでプロトタイプの機器をどうやってうまく動かすかを毎日話しあっていた2人と、再会したんです。こういうことは珍しくて。また一緒に同じゴールに向かって仕事が出来るというのはとても嬉しいですし、カタールの日々をともに経験した仲間だけに、意思疎通もスムーズで。会社の垣根を越えたつながりを実感します。

いくつかのプロジェクトを経験して、プラントが完成して製品が出荷される瞬間。その喜びや達成感を、一緒に苦労してきた関係者とともに味わうことができるのが、この仕事の大きな魅力だと思います。

私自身のCHIYODAでのキャリアを振り返ると、入社間もない頃、土木の部署にいたときに「将来、プロジェクト・マネジャーになりたい」って言ったことがありました。それを会社は覚えてくれていて、チャンスを与えてくれた。だから、周りにも私の部下にもいつも言っているんです。「やりたいことは、主張すれば必ず聞いてくれる」と。

いいチームをつくりたければ、相手をRESPECTすること。

career path

1995年〜1997年
当社が特許を保有する杭載荷試験工法の設計、施工、解析業務を担当。論文を学会で発表。
1997年〜1998年
ミャンマーの銅製錬プロジェクトで現地に赴任。土木施工管理を担当。
1999年
空港沈下対策として遮水壁の検討を実施。
2000年
土木設計部署からプロジェクト部門に異動。
2002年〜2004年
サウジアラビアのメタノールプロジェクトに、プロジェクト・エンジニアとして設計、施工、プラントのハンドオーバー(引渡し)までを担当。
2006年〜2009年
カタールでのLNGプロジェクトにて、冷却設備のエリア・マネジャーとして工事~試運転~ハンドオーバーを担当。
2009年〜現在
オーストラリアでのLNGプロジェクトにて、エンジニアリング・マネジャーとして、発電設備の設計全般を担当。