LNG(液化天然ガス)をはじめとするプロセスプラントの設計業務では、大学で専攻した化学工学の知識と技術がコアになる。それが、CHIYODAを志望した理由です。海外でスケールの大きな仕事ができるという点にも魅力を感じていました。
入社後はマレーシアへ渡り、建設中の石油製油所プラントで新人研修に参加しました。「プラントのEPC(設計・調達・建設)業務はいつも計画どおりに進むものではなく、現場のエンジニアは予期できない問題に何度も直面する。その問題がなぜ発生するのか。どうやって乗り越えればいいのか。ここで学んでほしい」。開始にあたり、そう上司に言われたことを憶えています。
研修では、『工事のパンチリスト』(顧客から手直し・修正を指摘された箇所を記載したリスト)担当でしたので、配管工事を担当するサブコントラクター(下請となる建設工事会社)と顧客の間を行き来しながら走り回っているうちに1日が過ぎていきました。先輩社員によるレクチャーの時間もあり、技術的なことやEPCの遂行について学びました。現場で大規模な装置の搬入やマイルストーン的な作業が行われる時には見学に行き現物を見る経験をしました。圧倒的なスケールのプラントが完成に近づくにつれてどんどん力がわいてくるような感じで、3カ月間の研修が終了する頃には「プラント設計を生涯の仕事にする」という覚悟が固まっていました。
建設現場での新人研修は、現在も行われています。海外への渡航が難しい状況ですが、CHIYODAの建設プロジェクトは国内外を問わず進行していますので、この仕事を選んだ皆さんが現地の人々と文化に触れながら多くを学べるように願わずにはいられません。
私は研修終了後も現地に残り、メカニカル・コンプリーション担当(プラントを構成する装置や資材が設計図面どおりに組まれているかを確認する)として4カ月間、実務経験を積みました。この現場には配管、制御、機械、電気など、各分野のスペシャリストが100人以上集まっていて、私の顔と名前を覚えてくれた先輩たちとは今もアドバイスをいただける関係を継続していますので、人脈というかけがえのない財産を得た仕事と言えますね。