千代田化工建設で歩むキャリア

世界最大規模のLNGプラントが自らを大きく成長させてくれた。

配管設計部 配管技術セクション セクションリーダー 専門長 坂本 善明

スケールの大きな仕事に、夢と可能性を感じた

学生時代に学んだ機械工学や流体力学、応力解析などの知識を活かせる場として、先輩に紹介してもらったのが、CHIYODAとの出逢いでした。エネルギープラントという大きなものを、世界を股にかけ、いろいろな国の人たちと創り上げる仕事に魅力を感じたことが入社の大きな決め手になりました。

入社以来20年以上にわたり、一貫してプラントの配管設計と配管解析に携わっています。LNG(液化天然ガス)プラントは天然ガスを極低温の-160℃に冷やして液化する工程があります。また、それだけでなく、高温高圧の蒸気、毒性や可燃性のガスや液体まで、用途に応じた配管が必要になります。運転する圧力や温度に応じて最大で直径2mもの配管を何千本も据え付けることもあり、細心の注意を払って設計し、慎重に応力解析や強度計算する必要があります。

入社して最初のうちは本社で配管熱応力解析や配管設計に携わり、その後、海外で現場も経験しながら、入社8年目頃に海外LNGプラント向け配管解析チームのリーダーを任されるようになりました。

2002年頃に経験した国内製油所向けの石油プラントの配管解析は、自分が解析の主担当となり、検討、資料作成、お客様へのご説明までほぼ一人やった初めてのプロジェクトでした。日本でプラント試運転を行ったのですが、運転開始後に不具合が発生。現地調査やお客様に運転状況を確認するなどし、配管の伸縮面での問題点を見つけ出して、対策を検討しました。お客様へ問題解決できたことをご報告したときに「よくやってくれた」と言ってもらえたのは嬉しかったですね。不具合自体は決してよいことではありませんが、対応が功を奏し、お客さまからも信頼してもらえたことや、その後に中東での実運転時にも声をかけていただいたことは大きな自信となりました。

スケールの大きな仕事に、夢と可能性を感じた

世界最大規模のLNGプラントに携わった大きな経験と自信

CHIYODAを代表する案件であり、私自身としても一番の思い出となっているのは、2005年のカタールLNGプラント設計で配管解析リーダーを担当した時のこと。現在でも世界最大の生産量を誇るLNGプラント建設案件であり、全6系列を含めると大型テーマパークが複数入るほどの敷地面積に巨大プラントを設計、建設するという巨大なものでした。配管の総重量も240,000トンにもなるプロジェクトで、3年近くにわたって社内外と連携しながら進めていきました。

最初の1年は本社で設計を行い、その後は詳細設計を行うフィリピンやインドの設計事務所へ何度も出張しました。具体的な設計の手順を手順書にまとめて現地エンジニアに指導し、あがってきたものをチェックしていきました。解析後の図面は社内の建設グループに渡して工事を進めてもらうのですが、工事の段階になって設計段階では見えていない問題が表面化し、設計変更が求められることもありました。そんなときは、プロジェクトを担当するオイルメジャーのエンジニアにご説明し承認をいただき初めて次の工程に進めることも多く、お客様との調整をはじめ解析する部下や海外設計拠点エンジニアへの情報伝達、社内的にも機器の設計担当や調達担当、建設担当との調整に追われる日々が続きました。

カタールは日中の気温が50℃を超える日もあり、湿度も非常に高いため、体調管理には気を遣いました。ただ、3ヶ月に1回は2週間の休暇があって、一時帰国をしたり、旅行をしたりといったこともできます。いろいろな思い出がありますが、上司や同僚、部下にも恵まれ、悩みながらも大量の計算書をまとめ終えた時には大きな達成感が得られました。

世界最大規模のLNGプラントに携わった大きな経験と自信

さまざまな人と関わりながら、世界のエネルギーを支える

出張で訪れるのは中東が多いのですが、JVパートナー企業との打ち合わせでフランスに出張したり、アメリカを訪れることもありました。また、運転後の微調整などでカタールを訪れることも度々ありましたが、世界最大規模のLNGプラントを見上げるたびに「自分がこれに関わった」という感慨がありますし、世界に不可欠なエネルギー供給を支えているという誇りを感じます。

2009年にはサハリンLNGプラントにも携わり、運転後の配管振動対応を行いました。実際に稼働しているプラントを見られたことで、配管設計に新たな視点を得られたことも大きな財産になりました。入社からのさまざまな経験によって、配管の応力解析や振動解析、疲労評価などは専門性を高めることができたと感じます。ただ、自分で考える力はもちろんですが、困った時には多くの先輩や同期、後輩と相談し合い教え合う関係に助けられ、課題解決の道筋を見出せたことも数え切れないほどあります。また、JVパートナーや装置ベンダーとの関わり、オイルメジャー専門家との情報交換など、知識・見聞を広める機会を数多く持てたのも大きな経験でした。

2014年には配管技術セクションリーダーを拝命。今後は熱応力解析、配管材料や配管エンジニアリングIT各部門をリードし、セクション全体を発展させていきたいと思います。安全で環境にやさしく経済性に優れたプラントを生み出せるように頑張りたいですね。

私たちの仕事は海外を訪れる機会が豊富にあるため、仕事の合間にはカタールで仲間と砂漠ツアーを行ったり、インドの結婚式を体感したり、世界中の自然や文化を味わえるのもおもしろさを感じるところ。また、さまざまな文化や考え方を持つ人たちに刺激を受けながら仕事をすることも、成長を大きく後押ししてくれます。世界を股にかける仕事に意欲的な人、チームワークを重視したり、自分の仕事だけでなく全体を見ながら仕事ができる後輩を迎えられたら幸いです。

さまざまな人と関わりながら、世界のエネルギーを支える

career path

1996年
インドネシアに赴任し、現地エンジニアと配管設計・解析を担当
1998年
カタールメタノールプラント建設現場赴任
2001年
カタールLNGプラントで配管解析リーダーを担当
2002年
国内製油所向けの案件で、プラント運転後のトラブルへの対応が評価され、その後中東でのプラント案件も任される。
2005年~2008年
世界最大規模のカタールLNG設計で配管解析リーダーを担当。フィリピン・インド設計事務所へ出張しエンジニアを指導。JVパートナーであるフランスのエンジニアリング会社との打ち合わせでパリへ出張も経験。建設、運転時の問題対処のため、複数回の現場出張。
2009年
サハリンLNGプラント運転後の配管振動問題を担当
2010年
配管解析グループ リーダー。現場出張も多数
2014年
配管技術セクション セクションリーダーとなり、現在に至る