エンジニアリングとは

その存在意義、その技術、その使命。

【エンジニアリング】は、学問の分野では「工学」と訳されますが、エンジニアリングビジネスにおいては、工学各分野の要素技術(※)を組み合わせることを言います。その要素技術を組み合わせて、インフラという付加価値を創造し、世の中の様々な問題を解決します。インフラとは、社会生活や経済活動の基盤となる構造物を指す言葉です。たとえば、エネルギー分野なら、地下資源の採掘施設や発電所と送電網など、輸送分野なら、鉄道、港湾、飛行場など、通信分野なら、有線あるいは無線の通信網が代表的なインフラです。これらはそれぞれ、エネルギーインフラ、輸送インフラ、通信インフラと呼ばれています。これらのインフラと並んで重要なのが、生産に関わるインフラ、いわゆる工場です。工場では生産する製品によって、機械加工、熱処理、化学処理、部品組立てなどの様々な工程に沿ってモノづくりが進められています。英語で工場を意味する単語には、factory、plant、millなどがありますが、化学的な処理や加工を行う工場をplant(プラント)と呼びます。

エンジニアリングが提供するのは、単なる「モノ」ではなく、「仕組み」です。世界中から最適な技術力、ノウハウ、そして人材を調達し、顧客との契約で定めた品質、価格、そして納期内で、顧客が求める「モノ」を、安定的に生み出す「仕組み」(生産分野のインフラ)を建設します。すぐれた生産能力を有するプラントが安定的かつ安全に稼働することで、プラントの建設を推進した国や地域の繁栄に貢献するだけではなく、世界が直面するエネルギー、環境、食糧などの諸問題に解決の道筋を作り、地球のよりよい未来に貢献すること。これが全世界で展開するエンジニアリング事業の真髄であり、また使命でもあります。この使命を果たすために日本のエンジニアリング企業は、世界中のエネルギー問題、環境問題、食糧問題を解決すべく、他の業界に先駆けて海外へ進出し、高い技術力で様々な種類の産業設備を世の中に提供してきました。

(※)要素技術:化学工学(分散、反応、分離、防災、安全など)、機械工学(伝熱、材料、流体など)、電気・電子・制御工学(発電、電力流通、電気通信、電磁気、計装、計測、プロセス制御、情報処理など)、土木建築工学(意匠設計、構造、耐震設計、診断、施工など)

国境を超えるスケールとスピード

エンジニアリング企業は、日本を世界の一つととらえ、世界中に事業を展開します。たとえば、中近東の乾燥した大地、東南アジアの熱帯雨林、赤道直下の青い海原。エンジニアリング企業はそうした場に、国境を超えるほどの大きな絵を描きます。あたかもそれらが巨大なキャンバスであるかのように。経済活動がボーダーレスになったいま、世界中に存在する私たちの顧客は、世界中のエンジニアリング企業から最も適切な会社を選定します。選定の基準は、全世界に存在する無数の要素技術を、最適に組み合わせ、全世界から人を集めて、チームを編成・リードし、顧客が望む生産能力を有するプラントを、顧客と約束した時期に、約束したクオリティで実現する力です。従ってヘッドワークでもフットワークでも軽々と国境を超えてしまうスケールとスピードが欠かせません。

世界中には、エネルギー、環境、食糧、医療などの分野に、エンジニアリングの力が必要な問題がたくさん存在しています。エンジニアリング企業は、世界中であらゆる分野にビジネスチャンスを見出し、開拓します。エンジニアリングの世界で働くことで、国境を超え地球の未来に貢献するチャンスを獲得できるのです。

地球規模のダイナミックな変化への対応力、そして変革力

エンジニアリングビジネスでは、あらゆる変化や課題に向き合います。これらへの対応力や技術力があってこそ、様々な問題に対処できるのです。時には一国の命運を左右するようなインフラの建設には、膨大な資金と要員と資材・機材が必要です。それだけに、建設地の政治と経済の状況の変化はもちろんのこと、世界各国の金利や為替の変動、資材価格の変化、そしてパートナーとなる企業の経営状況、現地の雇用情勢などの変化にも、しばしば対応を迫られます。そこでエンジニアリング企業は、この変化にともなって発生するリスクに迅速に対処すべく、起こりうるあらゆるリスク(資材・人材コストの高騰、為替変動、顧客からの仕様変更、機器の不具合など)を事前に想定します。

変化への対応力に加えて、世界で通用する技術力を常に向上させることも重要です。今、役に立つ技術力も、数年後には古くなります。そのため、他企業が追随できない付加価値の高い技術力を継続的に開発しています。

究極のチームワーク

インフラの建設にかかわるプロジェクトには、その規模の大小に関わらず、さまざまな企業や人が関わるため、チームを巻き込み、統括する力が求められます。インフラの建設は、企業1社で、ましてや1人で完成できるものではありません。インフラを構成する各部分を作るために、それぞれ最適な技術を持つ企業を集めます。例えば、機器一つでも、流体の量、温度、使用環境、接続する他の機器等によって最適な仕様・部品を提供する企業が異なります。従って、各技術に関わる知識を生かすだけでなく、関連する技術を相互に組み合わせる方法にも知恵を絞らなくてはいけません。エンジニアリング企業は、技術の最適な組み合わせを求めて、さまざまな企業や人材とチームを組み、その組み合わせをインフラという解に表すために、プロジェクトを最後まで責任を持って遂行します。

プロジェクト

このプロジェクトを完工するために、チームの能力を最大に発揮させ、顧客の期待に応えるインフラ創出の鍵を握るのが、プロジェクトを指揮するプロジェクトダイレクターとプロジェクトマネジャーです。この職務を担うには、専門となる技術の深い知識に加えて、長期にわたるプロジェクトを忍耐強く遂行できること、関わる人の知識・専門性・国籍・言語・文化的な背景を理解する能力と、強固なチームワークを生み出す、人間的な魅力とリーダーシップが不可欠です。これらの能力によって、地球規模の課題の解決に向け、大きな絵を描き、それを現実化することができます。

Big picture thinking — 現状の問題を見出し、解決策を考える力。私たちの事業の基盤を形成し、エンジニアリング企業とともに働く仲間たちに求められているのも、この力であることは間違いありません。